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坪単価のからくり

資金計画・補助金

“なんと、坪単価〇〇万円で家が建つ!”みたいな広告、見たことありませんか?

こんにちは。

石原貴司です。

坪単価とは、1坪(3.3㎡、畳2枚分)あたりの本体工事費用のことです。坪単価で建築費用の比較検討をしようと思われる方は、延べ床面積の坪数で工事費の計算をされる方が多いと思います。ですが、坪単価にはからくりがあるので、よく注意しないとならないのです。坪単価で評価することを否定するわけではありませんが、あくまで目安と思っていないと、からくりにまんまと引っかかってしまいますよ。

では、ご説明しましょう。

例えば、延べ床面積が40坪で単価が70万円だとすると、40坪×70万円=2800万円が建物の本体価格です。ここで言う、『延べ床面積』にからくりが潜んでいるんです。なぜなら、坪単価を算出するにあたり、面積の計算方法には、共通の決まりがないからなのです。どういう事かと申しますと、ハウスメーカーや工務店によって、算出方法に違いが生じている可能性があるからなのです。また、建物の形状や、内装、外装の仕様によっても変わってきます。

ここ数年、こちら湘南鎌倉地域でも、吹き抜けやロフトがある物件は人気があり、多く見受けられますね。海近の開放的な環境を持つ湘南鎌倉のイメージにも沿った建物の雰囲気づくりにも一役買っていると思います。その吹き抜けですが、吹き抜けの部分は床がありませんので、延べ床面積は小さくなります。さらに、ロフトやベランダ部分ですが、基準を満たしていれば、法的には床面積には入らないのです。ですが、坪単価の算出方法には決まりがないと申し上げた通り、これらをすべて床面積に入れて計算すれば坪単価は小さくなりますね。なので、床面積としている範囲を把握することがとても重要になります。

そして、もう一つのからくりのお話もしましょう。

家づくりの寸法基準として、メーターモジュールと尺モジュユールがあります。弊社をはじめ多くの工務店が尺モジュールを採用しています。モジュールとは、柱を立てていく間隔のことです。日本では古くから尺貫法が採用されており、日本の建材は尺モジュールで作られています。そのため、尺モジュールを採用している会社が多いのです。

メーターモジュールでは、柱は1メートルおきに立てます。尺モジュールでは、柱を91センチおきに立てます。

メーターモジュールで建てた家と尺モジュールで建てた家では、どんな違いが出てくるかというと、同じ間取りで建てた時に、メーターモジュールの家の方が、尺モジュールの家より広くなります。

例えば、縦横ともに9本ずつ柱をたてながら総2階建ての家を建てたとします。メーターモジュールの家では、縦横8メートルの家になります。
8m×8m=64㎡
これが総2階建てなので、64㎡×2=128㎡(38.72坪)になります。

これを尺モジュールで建てると、縦横それぞれの一辺が91㎝×8本=7.28mですので、7.28m×7.28m=52.99㎡
これが総2階建てなので、52.99㎡×2=105.98㎡×(32.05坪)の家になります。

ということで、同じ間取りの家で38.72坪-32.05坪=6.67坪の差が出ます。こうなると、坪単価にも差が出てきます。

例えば、2000万円で家を建てたとして、それぞれの坪単価を計算してみましょう。

メーターモジュールだと、2000万円÷38.72坪=51.65万円です。
一方、尺モジュールだと、2000万円÷30.25坪=62.40万円になります。
なので、坪単価の差額は、62.40万円-51.65万円=10.75万円となります。

ここで、この差額に注目してみてください。坪単価が安いことを強調したい会社は、メーターモジュールを採用するんです。ですが、メーターモジュールだと、当然建材は尺モジュールより多く使うことになりますので、総工事費はメーターモジュールのほうが高くなります。

 

大手メーカーなどでは、このメーターモジュールを採用している場合があります。そうすると、坪単価が安くなるというトリックを使えるのです。もちろん、メーターモジュールの家は、部屋や廊下が広くなるというメリットもありますので、メーターモジュールを否定しているわけではありません。なので、家づくりの際には、このメーターモジュールと尺モジュールの話も参考にしてみてください。

坪単価のからくりのお話いかがでしたか?坪単価に惑わされないようにしてくださいね。何かご不明点などございましたら、お気軽にお問い合わせください。詳しい担当者がお答えいたします!

それでは・・・。

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