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注文住宅を建てるときは、家づくりの基本的な流れを知っておくと、スムーズに進めることができます。
この記事では、家づくりの流れを分かりやすく解説するとともに、押さえておきたいポイントを紹介します。
早速、家づくりの基本的な流れについて解説します。
まずは、どんな家を建てたいか、家のコンセプトを決めていきます。
WebサイトやSNSなどで情報収集をしたり、住宅展示場で実際の家を見学したりすると、「こんな家を建てたい」というイメージを膨らんでいくでしょう。
例えば、以下のようなコンセプトを決めておくと、家づくりの方向性が決まります。
など
夫婦や家族で話し合って家づくりのコンセプトが決まったら、理想の家に求める条件、こだわりたいポイントを具体的にまとめていきましょう。
関連記事:注文住宅でこだわりたいポイントは?こだわりすぎて失敗しがちなポイントも解説
家づくりを進めるうえで、最初に決めておきたいのが「予算」です。
家づくりにおける一般的な予算の決め方は、以下の通りです。
家づくりにかかる費用は、主に「土地代」「建築費」「その他費用」に分けられます。
その他費用には、駐車場や庭の外構工事、水道管やガス管を引き込むインフラ工事などの付帯工事費用、引越し費用や登記費用などが含まれます。
また、土地の売買や建築工事の契約時には、手付金や着手金として10%程度の支払が必要になるケースがほとんどです。
そのため、自己資金のすべてを住宅ローンの頭金にしてしまうことはおすすめできません。
一般的に、住宅ローンの借入額は年収の5倍程度、年間返済額は年収の25%以内が適切だと言われています。
無理のない予算を決めたうえで、土地代と建築費にどう振り分けるのかを考えましょう。
家づくりを依頼する建築業者には、地域密着型の工務店とハウスメーカーの2種類があります。
低コストで理想の家づくりを叶えるなら、おすすめなのは工務店です。
工務店はハウスメーカーのように広告宣伝費をかけていないため、その分のコストが建築費に上乗せされることがありません。
また、職人との距離が近く、設計の希望を細かく聞いてもらえるのもメリットです。地域密着型の工務店なら、環境に合わせた住み心地を考慮した設計の提案もしてくれるでしょう。
入居後のメンテナンスはもちろん、トラブルがあったときも気軽に相談できるので、長く安心して住める家を建てるなら、信頼できる工務店を見つけることが重要です。
関連記事:注文住宅を工務店で建てるメリット、ハウスメーカーとの違いを解説
建物についてのコンセプトや建築業者が決まったら、次に土地を探していきましょう。
住みたいエリアを決めるのはもちろんですが、予算や広さについても考慮する必要があります。
土地探しを成功させたいなら、工務店に探してもらうのもおすすめです。
工務店は地元密着型の営業をしているため、地域の情報に精通しています。
また、地元に強力なパイプを持っている工務店なら、市場には出回らない良い土地を見つけてくれる可能性もあるでしょう。
関連記事:成功する土地探しのコツ
ある程度の設計プランが決まり、土地が見つかったら、住宅ローンの事前審査に申し込みましょう。
住宅ローンには、事前審査と本審査の2つの審査があります。
事前審査は、申込者の年収などが、住宅ローンを組むための一定の基準をクリアしているかを判断するために行われるものです。
本人の申告内容に基づいて行われる簡易的な審査で、通常であれば3〜4日程度で審査結果がでます。
また、金融機関によっては、仮審査と呼ばれることもあります。
土地が見つかったからといって、すぐに売買契約を締結するわけではありません。
家を建てるための土地は、法律に基づいた建ぺい率や容積面積、接道義務などを満たす必要があります。
そのため、まずは見つかった土地に家を建てられるのかどうか、敷地・地盤調査を実施して確認しましょう。
敷地・地盤調査の結果、問題がなければ売買契約に移ります。
価格などの条件を売主・不動産会社としっかり交渉したうえで、条件が整ったら売買契約書を取り交わします。
土地の売買契約時には、不動産会社から「重要事項説明書」について説明を受け、納得したうえで、署名・捺印をしましょう。
その後、売買価格の5~10%程度の手付金を支払い、売買契約の締結が完了します。
土地の売買契約が終わったら、家づくりの本格的な打ち合わせをスタートしましょう。
最初に決めた家づくりのコンセプト、こだわりたいポイントを工務店に伝えたうえで、設計プランと見積もりを提案してもらいましょう。
工務店なら費用を抑えた建築が可能ですが、あまりにもこだわりを詰め込み過ぎると予算オーバーとなる可能性が高いです。優先順位を決めたうえで、節約できるところは節約をして、予算通りの家づくりができるよう心がけましょう。
関連記事:注文住宅で節約するならどこ?コストダウン可能な8つのポイントを解説
間取りやデザインの打ち合わせが完了したら、依頼する工務店またはハウスメーカーと建築工事請負契約を締結します。
建築工事請負契約書には、以下の16項目が必ず記載されています。
1.工事内容
2.請負代金の額
3.工事着手の時期及び工事完成の時期
4.工事を施工しない日又は時間帯の定めをするときは、その内容
5.請負代金の全部又は一部の前金払又は出来形部分に対する支払の定めをするときは、その支払の時期及び方法
6.当事者の一方から設計変更又は工事着手の延期若しくは工事の全部若しくは一部の中止の申出があつた場合における工期の変更、請負代金の額の変更又は損害の負担及びそれらの額の算定方法に関する定め
7.天災その他不可抗力による工期の変更又は損害の負担及びその額の算定方法に関する定め
8.価格等(物価統制令(昭和二十一年勅令第百十八号)2.に規定する価格等をいう。)の変動若しくは変更に基づく請負代金の額又は工事内容の変更
9.工事の施工により第三者が損害を受けた場合における賠償金の負担に関する定め
10.注文者が工事に使用する資材を提供し、又は建設機械その他の機械を貸与するときは、その内容及び方法に関する定め
11.注文者が工事の全部又は一部の完成を確認するための検査の時期及び方法並びに引渡しの時期
12.工事完成後における請負代金の支払の時期及び方法
13.工事の目的物が種類又は品質に関して契約の内容に適合しない場合におけるその不適合を担保すべき責任又は当該責任の履行に関して講ずべき保証保険契約の締結その他の措置に関する定めをするときは、その内容
14.各当事者の履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
15.契約に関する紛争の解決方法
16.その他国土交通省令で定める事項
(出典:e-GOV建築業法)
いずれの内容も漏れなく記載されていること、内容に不備がないことを確認したら、署名・捺印をし、契約を締結しましょう。
工務店・ハウスメーカーと建築工事請負契約を締結したら、住宅ローンの本審査に申し込みます。
住宅ローンには2段階の審査があり、本審査に通らなければ正式なローン契約ができません。
事前審査は申告内容に基づく審査でしたが、本審査では、収入を証明する源泉徴収票、担保評価のための物件確認書類などの提出が求められます。
厳密な審査になるため、審査結果が出るまでに1〜2週間ほどの期間がかかることにも注意しなければなりません。
すべての手続きが完了したら、いよいよ建築工事が着工します。
家が完成するまでの工事期間は広さやデザインによって異なるものの、着工から4~6ヶ月程度となるのが一般的です。
また、基礎工事が始まる前には、土地の神様を祀り、工事中の安全を祈願する「地鎮祭」が行われることがあります。
必ず行わなければならない儀式ではないものの、工事関係者や周辺地域の人々とのコミュニケーションを育む良いきっかけになるでしょう。
関連記事:家づくりで最初にすることは何?家が建つまでの流れ・手順を解説
建築工事の完成時、引き渡し前に必ず行われるのが、竣工検査です。
建築主と工事責任者の立会いのもとで行われる検査で、設計通りに建築されているかどうかを細かくチェックします。
具体的には、以下のような項目を確認しましょう。
図面との整合性
外装・内装の仕上がり
天井裏に不具合がないか
トイレ・キッチン・インターフォンなどの設備に不備はないか
チェックリストを作っておくと、検査をスムーズに進められるでしょう。
竣工検査で問題がなければ、引き渡しが行われます。
一般的には物件の引き渡しと同時に住宅ローンの融資が実行されるため、残金の支払い及び不動産の所有権移転(保存)登記と抵当権設定登記を行いましょう。
注文住宅が完成するまでの期間は、およそ8〜15ヶ月程度です。
ただし、場合によっては、これよりも長い期間がかかることもあります。
具体的には、以下のようなスケジュールを想定しておくと良いでしょう。
ステップ | 目安となる期間 |
コンセプト・予算決め(ステップ①~②) | 4〜3ヶ月程度 |
建築業者・土地決め(ステップ③〜⑦) | 1~6ヶ月程度 |
間取り決め・ローン申し込み・建築工事請負契約の締結(ステップ⑧〜⑩) | 1~6ヶ月程度 |
着工〜完成まで(ステップ⑪) | 1~6ヶ月程度 |
竣工検査〜引き渡しまで(⑫~⑬) | 1~2ヶ月程度 |
続いては、注文住宅のそれぞれの費用を支払うタイミングやお金の流れについて解説します。
家づくりをスタートする前に理解しておくと安心です。
以下の費用は、注文住宅が完成する前に支払いが必要です。
【土地の購入にかかる費用】
仲介手数料
売買契約印紙代金
土地代金の全額
所有権移転登記費用
司法書士費用
固定資産税の日割り分
土地の代金については、契約時に手付金(土地代金の5〜10%が相場)、引き渡し時に残金を支払うのが一般的です。
また、土地の購入代金もローンで賄いたい場合には、土地と建物の2本立てでローンを組む必要があります。
【建築工事にかかる費用】
工事着手金(工事代金の30%前後)
地鎮祭費用(祝詞料として2~3万円が相場)
建築確認申請費用
地盤調査にかかる費用
住宅性能評価取得費用上棟時
上棟金(工事代金の30%前後)
工事着手金、上棟金は、建物本体価格の30%が目安です。
一般的な住宅ローンは物件引き渡し時に融資実行されるため、事前に支払う費用は自己資金で賄うか、またはつなぎ融資を検討しましょう。
注文住宅が完成したら、引き渡し時に以下の支払いが必要です。
建築工事代金の残金
所有権移転(保存)登記費用
抵当権設定登記費用
司法書士費用
住宅ローン契約手数料
引越し費用
不動産取得税
など
一般的には、融資実行日の翌月から住宅ローンの返済がスタートします。
土地・建物にかかる固定資産税の支払いも翌年から始まります。
家づくりを成功させるためには、コンセプトや予算を丁寧に決めることが重要です。
建築工事には少なくとも4~6ヶ月程度の期間、土地探しや住宅ローンの申請も含めると、家づくりには8~15ヶ月ほどの期間が必要だと言われています。
家づくりの基本的な流れを把握したうえで、いつまでに何が必要かを逆算しながら、スケジュールをしっかりと管理することが必要です。
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