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注文住宅にかかる諸費用の全貌とは?内訳と節約ポイントを徹底解説

注文住宅を建てる際には、土地購入や建物の費用の他に税金などの諸費用がかかります。しかし、予算を立てる際に諸費用をどれくらい用意すればいいのか悩む方もいるのではないでしょうか。

この記事では、注文住宅にかかる諸費用の概要と、主な内訳、各費用相場、抑えるためのポイントや注意点について解説します。諸費用について理解を深め、予算オーバーなどの失敗を未然に防ぎましょう。

 

注文住宅にかかる諸費用

注文住宅を建てる際、土地の購入や建物本体の費用だけでなく、さまざまな諸費用が発生します。建てた家やそのために購入した土地は法務省に届け出て登録しますが、その際には登録免許税が必要です。また、住宅ローンを組むときには、手数料や保証料、火災保険料なども必要です。

土地購入に関連する費用や付帯工事費、住宅取得税などの税金も発生するため多くの費用が必要です。それらの費用は注文住宅の契約前から完成後に渡り支払うため、前もって建物本体費用とは別に準備しておかなければなりません。

注文住宅を建てる際にどのような費用がどの程度かかるのか、諸費用についても理解しておくことが肝心です。前もって諸費用の情報を得て、準備しておくことで、無駄な経費を削減できる場合があります。諸費用についてしっかり理解し、必要最低限に抑えるように工夫しましょう。

 

注文住宅にかかる主な諸費用の内訳

注文住宅を建てる際にかかる主な諸費用は、以下の5つに分けられます。これらの諸費用の合計は、建築費総額のおおよそ10〜20%程度と言われています。ここでは、その内訳についても紹介していきます。

土地関連費用

注文住宅を建てるときに土地を購入する場合、土地購入時に仲介手数料や登記費用などが必要です。

土地購入費用

注文住宅を建てる土地は不動産会社等で購入します。土地の価格は国土交通省の地価公示結果をもとに、さまざまな要因で決定されます。地方よりも三大都市圏のほうが高く、商業地域や住宅地など用途や立地条件、環境によっても差があるのが一般的です。購入する土地の広さに坪単価をかけた価格が購入費用になります。

参考:土地・不動産・建設業:令和6年地価公示 – 国土交通省 (mlit.go.jp)

仲介手数料

土地購入時には不動産会社に仲介手数料を払います。仲介手数料は、購入代金が400万円を超える場合「購入代金(税抜)×3%+ 6万円+消費税」が上限です。2,500万円の土地であれば約89万円の仲介手数料がかかります。

ただし、不動産会社の持ち物件であれば仲介手数料が不要となることもあります。できるだけ費用を抑えたい場合は、担当者に自社物件がないか確認してみましょう。

登記費用

土地を購入すると、所有権を移転するための登記費用がかかります。法務局に所有権移転登記をする際に支払う登録免許税は、土地の場合は地価公示価格の2%です。これらの手続きを司法書士に依頼すると、司法書士報酬が必要です。司法書士報酬は3〜5万円程度が相場になります。

土地の測量費用

土地によっては購入者が測量費用を支払う場合もあります。測量は、土地の境界線を明確にするために行い、これによって隣地との境界を定めてトラブルなどを防ぐのが役割です。土地の取得価額に含まれるのが一般的ですが、別に請求される場合は確認が必要です。

また、建築前には地盤調査も行われます。地盤調査は地盤の沈下や住宅の傾きなどのリスク予測のためにも重要です。地盤調査費用は通常は5万円程度が相場です。

設計費用

建築会社や設計事務所に設計を依頼すると建築士への報酬や建築確認申請費用が発生します。

設計事務所や建築士への報酬

設計料とは、建物を設計するために必要な基本・実施設計や条件整理、役所協議や確認申請などの費用です。さらに工事を問題なく進めるための見積もり精査や工事監理、検査・引き渡しの立ち会いなども含みます。

設計料は事務所ごとに独自の算出を行っており、よく用いられる計算方法には「坪単価制」や「見積もり制」などがあります。坪単価制の場合、坪8~18万円が相場です。見積もり制の場合は、工事費の10~20%が相場です。

確認申請費用

設計後には、建物が建築基準に合致しているかを確認するため、建築確認申請を行います。建築確認は施工会社や設計事務所が行うのが一般的です。ここでは、確認のための検査費用や申請費用がかかります。

申請費用の相場は所在地や広さによって異なり、東京都の場合、床面積30平方メートル以内の建築物で25,000円程度かかります。建築確認申請に必要な書類作成を建築士に依頼する場合の相場は3万円程度です。

参考:建築基準法関係申請手数料 | 東京都都市整備局 (tokyo.lg.jp)

工事関連費用

住宅建築時には本体工事費の他に工事関連費用がかかります。

建物本体工事費

工事関連費用の説明の前に、建物の本体工事に何が含まれるのかも知っておきましょう。本体工事費には、構造材や仕上げ材、工賃などが含まれます。さらに、付帯工事費として、電気や水道の引き込み工事や外構工事費などが必要です。

これらの費用の内訳は見積書に記載してありますが、専門用語も多いため疑問があれば必ず担当者に確認するようにしましょう。

仮設工事費

仮設工事費とは、工事中に一時的に使用する設備や施設の設置費用です。建築時には足場や仮囲い、職人のための仮設トイレが必要です。これらは見積書では「仮設工事費」としてまとめて記載されます。足場や仮囲いなどは建築物の大きさによって異なり、費用も変わります。

地盤改良工事費

地盤改良工事は、地盤へ人工的な改良を加えることです。基礎の土台を作るために土地の凹凸をなくしたり、地面の掘削を行い、地盤の耐力を高め沈下を防ぎます。固い地盤の場合は、地盤の表層部分にセメント系固化剤を混ぜ転圧して固めます。

軟弱な地盤の場合は、柱や杭を直接地面に打ち込み建物を支える工法が使われますが、地盤に支持層がない場合は施工できません。地盤改良費は調査の結果によって大きく変わりますが、柱や杭を打ち込む工法より、表層改良工法の方が費用は安くなります。

解体工事費

購入した土地が更地でなく古家付きの場合は、古家の解体や庭の樹木を撤去する費用がかかります。古家の規模や構造によって解体費用は異なりますが、一般的には150〜300万円程度が相場です。土地の費用が安い場合でも解体費がかなりかかるため、全体の金額を見て土地購入を決めることが必要です。

住宅ローン関連費用

住宅ローンを利用する際には手数料や保証料、火災保険などの費用が発生します。

ローン事務手数料

住宅ローンを契約する際には、金融機関に支払う事務手数料が必要です。内訳は、「金銭消費貸借契約書」を作成するための印紙税や融資手数料が含まれます。印紙税は契約金額によりますが、1,000万円超5,000万円以下は2万円です。

融資手数料は銀行によって金額にかかわらず一定の場合と、金額の1〜3%かかる場合があります。印紙税と融資手数料の合計が10万円前後かかるのが相場です。また、住宅ローンを借りる場合は、借入額に対して抵当権設定登記が必要で、借入額の0.4%かかります。

保証料

ローンを組む際は、支払いができなくなった場合に備えた、保証のための費用も必要です。家を建てる場合は、住宅ローン保証・団体信用生命保険を利用するのが一般的です。保証会社に支払う保証料は、一括で支払う場合と、返済金額に含まれる場合があります。

一括で支払う場合の目安は、借入額×(2%+税)になります。借入額が2,500万円とすると約55万円程度です。返済金額に含む場合は、一括で払うよりも初期費用が抑えられますが、返済金額がその分増加します。住宅ローンを組む際は、金利だけでなく保証料も含めたトータルで判断することが大切です。

火災保険・地震保険

注文住宅を建てる際には火災保険や地震保険にも加入が必要です。もしもの場合は近隣にも迷惑が及ぶことが考えられますので、必ず加入するようにしましょう。住宅ローンを利用する場合は、借入先銀行の団体割引で加入できるため安く済ませられるというメリットがあります。

火災保険料の目安は建築工法や内容によっても異なりますが、最長5年で10〜30万円程度です。補償内容によって保険料は変わりますので、費用を抑えたい場合は内容の見直しも有効です。

その他の諸費用

建物完成後には引っ越し費用や家具の購入費用、外構工事費や各種税金がかかります。この中で税金以外は住宅や各家庭により大きく差が出ますので、一般的な諸費用合計には含まれません。

引越し費用

引っ越し費用は家具などの物の量と距離で変わってきます。2人家族と4人家族では物の量も違いますし、家電のサイズも大きくなり、家族の人数が多いほど引っ越し費用は高くなります。また、距離が短いほど安くなるので、現在の住まいから新居が近いほど費用は抑えることが可能です。

車で移動したり、新規購入する家具や家電は直接新居へ配達してもらうことも費用削減に効果的です。

家具・家電購入費用

注文住宅を建てたら、新居に合わせた家具・家電を購入する人も多いでしょう。家具や家電の費用を削減するためには、作り付けにすることもできます。備え付けの家具・家電とは、テーブルや収納棚、ベッド、カーテン、エアコン、照明器具などです。

作り付けの家具や家電は工事費になり、住宅ローンに含めることができますので、その分自分で準備する費用を軽減できます。家のサイズやイメージに合った収納や家具が設置できるため、統一感を出すことにもつながります。

外構工事費用

外構工事は、庭やフェンス、駐車場などのことです。外構工事費は使う材料や広さによってさまざまですが、100〜300万円程度が相場です。ただし、外構工事の対象となるものの中には、ガレージの設置などあとから整備することができるものもあります。

庭を家族で整えるなども考えられます。諸費用を抑えるためには、時期をずらして、時間をかけて整備するという考え方も一案です。

各種税金(不動産取得税・登録免許税など)

建物を購入したときは、不動産取得税や登録免許税、印紙税などがかかります。不動産取得税は、固定資産税評価額の3%です。国土交通省では課税標準額の特例措置を設けており、新築住宅は1,200万円控除されます。

参考:住宅:不動産取得税に係る特例措置 – 国土交通省 (mlit.go.jp)

登録免許税は、地価公示価格の0.4%です。ただし、床面積が50平方メートル以上の個人住宅の場合は登録免許税の優遇措置が受けられ、0.15%になります。印紙税は各種公的書類作成時に添付が必要です。建築金額が高くなるほど印紙税も高くなります。

参考:No.7191 登録免許税の税額表|国税庁 (nta.go.jp)

注文住宅の諸費用を抑えるためのポイント

注文住宅の諸費用は、必ず必要なものですが、削減できるところもあります。また、住宅を建てる際に利用できる補助金制度などもありますので、うまく活用し、諸経費にかかる費用を抑えましょう。

複数の業者から見積もりを取る

注文住宅を建てたいと思ったら、まずは施工会社を選びます。施工会社は初めから1社に絞るのではなく、複数の業者から見積もりを取ることが肝心です。複数の見積もりを比較検討することで、相場もわかりやすくなり、依頼者の希望をどの程度活かしてくれるのかも判断できます。

見積書の内容についても理解できるまで丁寧に説明してくれる会社であれば、工事に関しても信頼できるでしょう。

必要最低限の費用を見極める

諸費用の中には住宅建築に必須の項目とそうでない項目があります。また、家の大きさや借入金額によって変わる場合があります。諸費用を安く済ませたいならどの費用が削減可能かを見極めることが肝心です。

たとえば、住宅ローンの手数料や保証料、設計費用などは銀行や施工業者ごとに異なります。また、不動産会社から仲介手数料がかからない土地を探すことも一つの方法です。削減できそうな項目を見つけ、対策を検討することで諸費用の削減を実行できます。

補助金や税制優遇を活用する

住宅取得に対する補助金や税制優遇を活用するのも諸費用を抑える方法の一つです。たとえば、「子育てエコホーム支援事業」は子育て世帯や若者夫婦世帯が長期優良住宅などを新築する場合に補助金が受けられます。補助金の上限は100万円です。

参考:子育てエコホーム支援事業【公式】 (mlit.go.jp)

また、ZEHやLCCM住宅などの省エネや低炭素に貢献する住宅を建てる際に受けられる補助金制度もあります。住宅ローンを組む人は最大13年の住宅ローン控除を受けることもできます。これらの補助金制度や税制優遇制度をうまく活用し、諸費用削減を実現しましょう。

諸費用を計算する際の注意点

注文住宅の諸費用は、建築費用の10~20%程度かかり、決して安くはありません。諸費用を計算する際は次のような点に注意が必要です。

見積もりに含まれない費用に注意

注文住宅の諸費用は、見積もり書に記載されますのでしっかり確認することが大切です。何が諸費用に当たるのか、一見してわからない場合は担当者に説明をしてもらいましょう。

見積もりに含まれていない費用は別途準備が必要です。また、工事中など後から発生する可能性のある費用もあります。見積もりに含まれない費用や後で発生する可能性がある費用はないか、担当者に確認し詳細を聞いておきましょう。

費用の内訳をしっかり確認する

見積書は専門用語が多く、サッと流すような説明では理解できないことがあります。また、項目の中に何の費用が含まれるのか、内容がわからないことも多々あります。不明点をそのままにしておくと、希望通りの家にならない可能性もありますので注意が必要です。

疑問点はそのままにせず、担当者に内訳を詳細に説明してもらうなどして、不明点をクリアにすることが重要です。

予算オーバーを防ぐための工夫

注文住宅は、一から全てのことを決める必要があり、かかる費用もさまざまです。土地や建物本体価格以外に必要となる費用を押さえて、前もって計画を立てることで予算オーバーを防ぐことができます。

削減できそうな項目はなるべく抑えるようにし、外構工事の一部はあとで整備するなども検討しましょう。入居後は思わぬ出費が発生することもありますので、余裕を持った予算設定が大切です。

注文住宅は石原工務店にご相談ください!

石原工務店の家

注文住宅を建てる際には、さまざまな決定事項があり、わからないことや不安なことも多々あるでしょう。そのようなときは丁寧に家づくりのすべてを教えてくれる施工業者を選ぶと安心です。プロの目線から、適切な予算立てや費用削減のポイントを紹介してくれるため、効率良く予算内に収めることが可能です。

石原工務店では、安心で快適な住まいには経済的な安定が不可欠と考えています。依頼人の理想の住宅を建てるために無駄をなくした設計や、入念に作りこまれた資金計画を提供しています。納得のいくまで打ち合わせを重ね見積もりを作成しますので、注文住宅の施工業者に迷ったら、ぜひ石原工務店にご相談ください。

コラム監修・石原 貴司
住宅ローンアドバイザー 公認/
不動産コンサルティングマスター/
宅地建物取引士/一級建築大工技能士/
一級建築士

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石原貴司氏
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